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3階の奥まで歩いていくと、先頭にいた金髪男が2回ドアをノックして、
「ボス。連れて参りました」
と英語で言うと、中から微かに男の声で返事があった。男がドアを開けると、後ろにいるスキンヘッド男があたしの背中を強く押してきた。
割り込みして急かすおばちゃんみたい。
あたしたちは部屋に入ると、そこはさっきあたしがいたような狭い部屋ではなく、家具などがあるわけでもない広いだけの殺風景な部屋だった。何箇所が柱があり、ダーツの的がかかっていたり、コートが無造作に掛けられている椅子があるだけ………。二人の男はあたしの背中を突き飛ばすと、あたしはうっかりして少しつまずき、俯せに倒れてしまった。
今はあまり体力がない。
空腹だから…!
すると、柱の影に人影が見えて、あたしは顔を上げた。
「口に貼っているテープを剥がせ」
低い声は流暢な英語でそう命令すると、スキンヘッド男はあたしの前にしゃがみこんで、口に貼られたガムテープを一気に剥がした。
「イタタタタッッ!!」
あたしは痛くて思わず叫んだ。すでに手首を縛っていたロープはここに来る間に解いていたので、
「この野郎!!」
と怒鳴りながら再びスキンヘッド男に飛び掛かり、往復ビンタを喰らわせた。
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