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あたしは、握っていたロープを強く引いた。金髪男は、このスキンヘッド男を「J」と呼んだ。アルファベットが、ここでの名前なんだろう。
Jは苦しそうにもがいている。
すると、
「君には殺せない」
とカルテロが微笑みながら言うと、あたしは唇を噛み締めてカルテロを見た。
「そいつを殺したいなら殺せばいい。だが、お前はまだ人を殺したことなどないだろう?はたして、出来るかな?」
カルテロの言葉に、あたしは言い返したくても言葉が浮かばなくて、ただきつくカルテロを睨み付けた。
「分かった。では、こうしよう」
カルテロは両手に皮の手袋をはめていて、あたしの前にひざまずくと、あたしは眉をひそめて彼を見つめた。すると、カルテロはJの頭を両手で挟むように持つと、Jはハッとしてカルテロを見たが、カルテロは表情ひとつ変えずに素早くJの頭をひねり、呻き声さえ上げる間もなく、Jは息絶えた。
「!!……何を…!!」
あたしは驚いて思わずロープから手を離すと、その隙にカルテロはあたしの腕を掴んで服を脱がし始めた。
「や、やめて!!何するのよっ!!」
とあたしは叫ぶけれど、Jの死を目の当たりにして体が震えて動かない。すると下のミニスカートは履いたままだが、上半身は薄いキャミソール一枚だけになった。
カルテロは薄気味悪い笑みを浮かべたまま、あたしの顔を覗き込んでいる。
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