13 HolyNight

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* 匠の告白は、今まで生きてきた人生の中で最大級の、最高のプレゼントだ。 こんなに嬉しいことはないよ。 だって、子供で無力だと思ってたあの頃のあたしが、唯一匠を救うことができてたってことでしょ?嬉しい。匠。あたし、あなたを好きで、良かった。 心から、愛してる。 「愛してるよ、匠」 あたしが匠の背中に爪を立てながら言うと、匠は何十回目かのキスをしてくれた。それは、汗ばんで、(なまめ)かしい眼差しで、そしてあたしの中で大きくあたしを突き動かていく……。 それから、あたしたちは何度も何度もキスをして、抱き合った。一つに繋がっていることが、何よりも嬉しかった。今まで生きてきた理由が、分かったような。誰と付き合っても、うまくいかなかった理由が、わかったような気がしたんだ。 匠に抱かれている時、あたしは初めてオンナで良かったって思う。そして、なぜか涙が出るの。匠は、そんなあたしの涙に気がつくと、さっきまでの激しいキスではなく、優しい優しいキスをしてくれた。甘く、とろけるようなキス。唇をなぞるように。形を確かめるように、匠はあたしの唇にキスをする。 そうしてまた激しさを増していくと、息が出来ないくらいキスが止まらない。髭があたるたび、なんだかくすぐったくて、それがまた、たまらなく嬉しい。 匠。 あたしの中で、いつまでも泳いでいて。 匠、愛してる………!
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