episode それは、楽園で始まる…

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あたしが言いかけると、後ろから慎也がきて、 「今更だよなぁ、美衣」 と微笑んで言うと、あたしは振り向いて慎也を見つめると、慎也はベッドの向こう側に回り、美衣と慎也は顔を見合わせて笑った。 「うん。今更だよ。見てて苛々してたよ。なんでくっつかないんだろうって。ヒロさんには悪いけど…。あ、でもね。ヒロさん、どっか行くみたいだよ。話した?」 と美衣が言うと、あたしは驚いて美衣を見つめた。 * 俺は横須賀にやってきた。 遥の動物病院のドアを開けると、受付の助手は小さい窓から俺を見て、微笑んで会釈をして、 「こんにちわ。遥先生なら今奥のレントゲン室にいますよ」 と教えてくれると、俺は頷き、診察室のドアを開けた。レントゲン室のドアに手をかけようとすると、先にドアが開いて遥が姿を現すと、俺たちは同時に驚いて顔を見合わせた。その途端遥の瞳に涙が溢れてきて、俺の頬を両手で包み込んだ。 「本物…!?」 と遥が言うと、俺はしっかりと頷いた。 「心配かけてすまなかった。それと、お礼を言いに来たんだ」 と言うと、遥は俺を見つめて苦笑した。
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