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寝起きの冷えた体に、42度の熱いシャワーが突き刺さり、やっと目が覚めて来た。
まさか、ボスと寝るなんて………。
でも、全然イヤじゃなかった。
ボスのキスは優しくて、大切なものを扱うように、最後まで、何度も、優しく抱いてくれた。見つめる熱い瞳。キスのたびにあたる髭も、耳たぶに触れる唇も、全てがなんだか愛しい。
え?…愛しい……?
なんだろう………。
この気持ちは一体、なんなんだろう…。
*
あたしは、裸にタオルを巻いてバスルームから出ていくと、ベッドで匠が座っていることに気がついて、
「げ?!匠?」
と言って硬直した。匠はグレイのセーターにスラックスを履いていて、煙草をふかしていた。あたしは、驚いてタオルをしっかりと両手で押さえて、
「い、いつ戻ってきたのよっ!!」
と怒鳴るように言うと、匠はそんなあたしを見て眉をひそめた。
「あのなぁ。ここは俺の部屋だ。外で電話してただけだ」
と匠が言うと、あたしは匠の足元に散らかっている自分の下着や服を見て、
「そこどいてよ。服着るんだから」
と言って匠を睨むと、匠は煙草をくわえながら足元の散乱した服を見た。
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