5 復讐のLiberty

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* 電話を終えると、俺は所長席にゆっくりと腰を降ろして茫然としていた。その時、俺のデスクのノートパソコンがメールを受信した音色が一瞬響き、ヒロは気がついて俺の肩に手を置いた。 「匠さん。…メールが…。もしかして…」 とヒロは言いかけて言葉を飲み込んでしまった。俺は我に返り、開いたままのパソコンのロックを解除し、メールを開いた。知らないアドレスからの添付メールだ。俺は舌打ちして、その添付メールをクリックした。 「犯人からだな…」 と俺が言うと、ヒロも驚いて俺の後ろから一緒にディスプレイを見つめた。 「お前のパートナーを預かっている。丁重に扱える自信はない。全てはお前次第だ。我々はマンハッタンでお前を待っている。だがディズリーの娘の命だけでは、まだ足りない。我々が受けた屈辱は、この娘とお前の命で償え」 英文で書かれた内容だが、ヒロは翻訳して口に出して読み、言いながら驚いて目を丸くした。添付ファイルには、瑠生が髪を短く切られて倒れている姿が映っていた。
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