5 復讐のLiberty

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目と口は、ガムテープで貼られて、大きな木箱のようなものに入れられている。俺とヒロは思わず息を飲んで画像を見つめていると、 「か、髪が短い。別人じゃないかな?」 と声を震わせてヒロが言うと、俺は頭を横に振った。 「瑠生だ…!」 俺は頭を抱えて言うと、事務所のドアのところで微かに物音がして、俺とヒロは咄嗟に振り向いた。ドアの下に封筒の一角が見えると、俺は立ち上がって駆け出しドアを勢いよく開けた。だが、そこには誰もいない。微かにバイクの走り去る音がしただけだ。 俺は大きな封筒を手に取ると、手触りで何となく中身が分かり封を開けて中身をひっくり返すと、長く波打った瑠生の髪が掌に零れた。 「これ、まさか……瑠生の髪?!」 ヒロも俺に歩み寄りながら、驚いて瑠生の髪を見つめている。 怒りが、沸々と沸き起こってくる。 「カルテロ…!!奴だけは絶対許さない!」 俺は瑠生の髪を握り締めてそう言うと、思い切り拳で壁を叩いた。ヒロはそんな俺を見て、驚いて立ち尽くしている。 「今すぐニューヨークに行く!瑠生を連れ戻す!!」 俺はそう言って事務所を飛び出そうとすると、ヒロは慌てて俺の腕を掴んで引き止めた。
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