5 復讐のLiberty

9/25
前へ
/276ページ
次へ
「私も油断してた。瑠生に護衛をつけてあげるべきだったわ」 香織さんはそう言って残念そうに目を伏せた。 「これであなたは、否が応でも、アメリカに行かなくてはならなくなったわね。でも…まだ最高上部の方で議論が飛び交ってるの。もしかしたら、今日本を出たら、もう日本には戻れないかもしれないわ」 香織さんはそう行ってデスクに寄り掛かると、俺は身を乗り出した。 「誰がなんて言おうと俺は行く!俺が助けに行かなくて、誰が瑠生を助ける?香織さん。頼む。すぐに出国の手続きをしてくれ」 俺はそう言って立ち上がると、香織さんは腕を組んで頷いた。 「そうしたいのは山々なんだけど…」 と香織さんが言いかけると、俺は香織さんに歩み寄りデスクの上にある電話から受話器を持ち上げた。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

577人が本棚に入れています
本棚に追加