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そのロボットに関心して周りをうろついていると、何かが開くような音が僕の背後から聞こえた。
音がした方を振り向いて見ると、さっき見た時には閉じていた、ロボットの腹部にあたる場所のハッチが開いていた。
「さっきまで閉じてたのに急に開くなんて……」
中が気になって覗いてみると、そこには誰かが倒れているようだった。
「あれは……女……の子……? 何でこんなロボットに女の子が乗ってるんだ?」
「……ん…………」
「意識はあるみたいだ……」
中に入り、その少女を抱き起こした。
「君、大丈夫?」
「……? あなたは誰……?」
「僕? 僕は士。馬奇士。君は?」
「私は…レイナ。それよりここは危険だから、あなたは逃げた方が……」
「危険? それに逃げろって……。さっき周りを見た時は誰もいなかったし、女の子をおいて逃げるなんて出来るわけないだろ!?」
「もうすぐ来るから……。そしたら、あなたまで巻き込んじゃう!」
「来るって何が?」
「敵よ」
「敵?」
彼女の言ってることが、その時、僕には理解出来なかった。
まるで僕と彼女のいる世界が違う気がした。
というより、僕が違う世界に紛れ込んでしまった気がした。
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