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「黒髪だから?」
さっきの男子生徒が言う。
先程まであまり興味を示さずにいた生徒達も今では二人のやりとりを真剣に聞いている。
「ああ、お前も見たことあるだろう? エリートクラスの奴らの髪の色を。あいつらの髪の色はほとんどが、混じり合った色だろ?」
……なるほど。
このクラスの生徒は、全員が得意属性が一目でわかる髪の色をしている。
ちなみに、赤い髪は火属性、青は水、黄色は雷、緑は風、茶色は土、白は光、そして、黒は闇が得意属性。
つまり、得意属性が髪の色に現れるのだ。
そして、僕の髪の色は黒。
「……なるほど。わかりました」
「よし。じゃあ他に質問あるやついるか~?」
僕がランダムクラスに入った理由が、今やっと明らかになった。
……そうだったんだ……。
「特に無いみたいだな~。じゃあ、神谷の席は……高峰の隣が空いてるな。あそこだ」
そう言って指差した席は、さっき質問した男子生徒の隣。
……き、気まずい。
僕はゆっくりゆっくり指定された席に向かって歩いて行く。
自分の席に着き、座った瞬間。
「あのさ……」
急に話し掛けられた。
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