朝帰り、雨宿り

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間者か? 女のくせに新撰組の屯所に送ってくれるなど普通は有り得ない 人切りと言われる新撰組だ 女は怖がるはず …聞くしかねーか 土方は閉じていた口を開いた 「おまえさん怖くねーのか?」 そう言うと女はきょんとした顔で 「何がですか?」 「何って新撰組だよ。普通女なら新撰組はこえーんじゃねーか?」 「あぁそう言う事ですか」 土方の言いたいことがわかったらしく少し笑う 「じゃお聞きしますけど土方さんは怖がられたいのですか?」 「は…?」 なに言ってやがるこの女 「そう言う訳じゃねーけど…俺達人切りって言われてるくらいだし」 「お言葉ですが私新撰組の皆さん怖くないですよ」 「!?」 「人切りとは確かに聞きますが辻斬りしてる訳ではないですしなんだかかんだ京を守ってくれているじゃないですか」 真っ直ぐ目を見て言う 「だから怖くありません。たとえ土方さんが鬼の副長と言われている方でもそれは新撰組のため仲間のためですよね?」 「………」 土方は驚いた 怖くないと言いだしたかと想うと次は自分の事を言われたからだ 「土方さん私の事間者と想いましたね?」 ギク 「私は間者ではありませんよ。私は島原で雑用をやっている物です。何度か土方さんをお見かけした事が会ったので土方さんの事はわかるんです。」 「島原…でもお前京の女じゃねーよな?」 「はい、あっ島原の皆さんは京の言葉使いますからね…私は雑用ですから京の言葉は使わないのでつい…すみません」 「いや、いい」 女の目を見ると嘘ではないのがわかる
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