プロローグ

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私は走った。 道無き道を。 何処までも何処までも暗く、静まり返った道に、私の荒い息づかいが、心臓が酸素を求めてドクドクと鼓動を打つ音が大きく聞こえて来る。 足の感覚はもう無く、ただただ重い、棒のように感じられた。 今までこんなにも長い時間、全速力で走り続けた事などあっただろうか? ……怖かった。 今すぐにでもこの足を止めて、立ち止まりたかった。 それでも私は走る。 止まる訳にはいかない。 大切な人達を守る為に。
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