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男の声がなり止むと体育館は静寂に包まれた。
最初、男の話に口を挟むものもいた。だが相手はスピーカーを通しているのだ。モニターと言うくらいだから何処からか監視されているだろうが、男は淡々と話し続けて居た。
「取り敢えず外出ません??」
旬より遥かに年上だろう。サラリーマン風な男が立ち上がり皆にそう問い掛けた。
「まずは周りを把握しとく必要がありますし」
そう付け加えるとゆっくり後ろにある扉に進んでいく。
「一服してぇし俺も行くか」
先程旬と目を合わせた帽子の男が相づちをうちながらポケットに手を突っ込んだ。
「俺も行きます」
そう旬も立ち上がると一人、二人と腰を上げていき、結果的には11人全員が立ち上がった。
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