缶蹴り

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俺はたった数時間前の事を思い出す。 俺は幾十瀬(いくとせ)巧(こう)だ。 歳は20で成人式はこの間やった。 仕事は玩具店の店員だ。どうしてこれにしたかっていうと、俺の趣味と関係する。 モデルガンの収集、これが俺の趣味だ。家にはかなりの数のガス式がある。 趣味のきっかけは小さい頃に見た何かの戦争映画だ。彼らがアサルトライフルやらロケットランチャーなんかを撃ち合ってるシーンを見た俺は興奮した。 俺も撃ってみたい! そんな事も思ってたが、大人になるにつれそれは法律上駄目である事が分かった俺は今では月に二、三回知り合いのコレクター達と山など色んな場所に行ってサバイバルゲームをすることが楽しみになっていた。 そんな何処にでもいるような俺にだ、友達である織田英吉は言うのだ。 「なぁ、缶蹴りの大会に出ないか?」 俺は勿論疑問符を叩きつける。 「はぁ?缶蹴り?」 「そう、缶蹴りだ。これを見てくれ…」 そう言って英吉は俺に一枚の紙を見せてくる。 そこにはこう書かれてあった。 【缶蹴り】の招待状 織田英吉様、貴方は名誉ある缶蹴りの大会の参加者に選ばれました。 全国から三十人の抽選に貴方は見事選ばれたのです。 つきましては、あと一人貴方の好きな方でいいので誘って頂き、池袋駅の前に2月1日の午後10時に集合してください。 詳しいルールなどは道中説明致します。 何を持ってきても構いません。お待ちしております。
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