缶蹴り

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「そりゃそうだ、これは裏サイトだからな」 「裏サイトって…そんな事やってたら普通消されるだろ?場合によっちゃマスコミが出てくる」 俺のその言葉を待っていたかの様に、英吉は恐らく用意していたであろう言葉を言う。 「そこだよ」 英吉は俺を指差す。 「確かに普通ならこんなサイトすぐに消される…内容見たらもっとそう思うようになる。だが、それがされない…ということはそこから導き出される答えは?」 英吉の言いたい事が分かった俺は、指差しから逃れてから言う。 「つまりこういう事だな?あのサイト、大会が表沙汰にされないのは、何処か大きな組織が圧力をかけているから…」 「その通り、そして圧力をかけるなんて事、そこらへんの中小会社に出来る訳がない…」 「つまるところ、大企業の何処か…下手をしたら政府も関係している…と」 「その通り」 俺は何とも言えない気持ちになり、しかしひとつだけ気になる事を英吉に聞く。 「なぁ、英吉。なんでそこまで分かっていて缶蹴りなんて危なげな大会に出るんだ?」 結局のところ俺は一番それを聞きたかったのかも知れない。 危なげな大会に大企業が関わってるなんて知ったって、実際に俺等に出来ることなんてない。
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