第二章【葵と信長】

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それ以降、葵は信長に付きまとうようになった その事件以前に二人の接触はたったの一度だけであった 信長が不慮の事故により長い入院生活から復活した後… 一度だけ屋上で出会った二人… そのとき、葵は…いや、信長もお互いに何か違和感を感じてはいた だがそれが何なのかはわからなかったし、互いに口にしなかった為その感情は封印されてしまっていた 瑞希は、葵が信長の勧誘を良くは思っていなかった うわさでしか聞いてはないが、大層な不良と聞いた為、常に二人が会う時は警戒していた 信長にとっては迷惑以外のなんでも無かったようで、葵に手を出すようなことはなさそうなのでひとまずは安心していた だが、葵を溺愛している瑞希としては、可愛い葵に変な虫がついては大変と常に電波を張り巡らせていた 今回も信長が軽くあしらって終わり… 瑞希はそう思っていた だが… 葵は戦法を変えた 葵「今日…一度見学だけでもきてください!私と…勝負しましょう!」 信長「…何を意味のわかんねぇことを…」 葵「私が勝ったら剣道部に入る!先輩が勝ったら私は今後一切先輩に付きまといません!」 信長「俺にメリットねぇじゃねぇか」 葵「ひとつ!!ひとつだけ何でも言うこと聞きます!!」 葵の思わぬ提案に信長も…陰から状況を見守っていた瑞希も思考が一瞬停止する 信長「…何でもか?」 葵「何でもです!!」 葵は真っ直ぐに信長を見る 信長はそれを見てニヤリと笑みを浮かべる 信長「いいだろう…放課後だな」 葵「はい!!」 葵はうれしそうに教室へ戻っていく 瑞希は信長が何を言う気か知らないが…男の考えることなど下種なこと 葵の腕は全国大会4位… しかし、あの信長の笑みが引っかかった 信長とて葵の実力は知っているはず 瑞希は、万が一の場合…どんな手を使ってでも信長を葬ろうと物騒な決意をしていたimage=382761802.jpg
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