第二章【葵と信長】

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都内某屋敷… 「お嬢様…お嬢様…」 一人の女性がベッドで眠る女性…いや少女と呼んだ方がいいだろう その少女を優しく起こす 「ん…あっ…おはよう…瑞希(みずき)」 少女が目をこすりながらベッドの傍らで微笑む女性に言う 女性は瑞希という名らしい 少し赤みのかかった髪を後ろで束ねている 美しい顔だちはかなりの美人にランクインされるだろう 服は…いわゆる冥土…失礼 メイド服というやつだ この瑞希という女性はどうやらこの家の奉公人らしい 「おはようございます、葵(あおい)お嬢様」 女性は微笑みながら少女に挨拶をする 少女の名は葵…沖田葵 沖田財閥の令嬢である 可愛い顔だちをしており、少し青みのかかった綺麗な目をしていた だが… 瑞希「学校に遅れますよ?」 葵「ん~部活までサボる…」 とても令嬢とは思えない雰囲気である 瑞希「昨日もそういってましたね…ふふふ…、真っ裸にしてつるしますよ?お嬢様」 あくまで笑顔である…とても優しい美しい笑顔だが… 葵「ごめんなさい!」 葵は飛び起きて直ぐに高校の制服に着替える どうやら葵は瑞希が怒らせてはいけないと認識しているらしい… 朝食をとり、学校へ行く準備を終える 瑞希「本当に送り迎えしなくてよろしいのですか?」 葵「いいって、リムジンで学校なんて言ったら友達無くすっての…」 葵のことを財閥の娘と知っているのは学校教師の一部だけである 葵の強い要望により、一部の教師を除いて極秘扱いになっている まぁ…当然圧力がかかっているわけだが…それは大人の事情である 葵「行ってきます!」 瑞希「行ってらっしゃいませ」 こうして葵の一日は始まる
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