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放課後、夕暮れが学校を赤く染めはじめる。
勇人はいつものように病院へ行く支度をしていた。
「なあ」
「んー?」
「勇人よぉ、楓ちゃんが心配なのは分かるけどよ、他にも色々あるだろ」
こいつは吉木、数少ない友達の一人だ…まあゲームの話が合うのがこいつだけだったってだけだけど。
「いや俺就職するし」
「就職するしって…それにしたって考えなさすぎ、ぶっちゃけ自分の事なんて考えてないだろ」
「吉木は大学良いのかよ、ゲームの知識ばっか蓄えやがって」
「お前は…はぁ、結構真面目に言ってんだって」
「分かってるって」
勇人は吉木と目を合わせずに教科書をリュックにしまう。
「じゃあな、心配かけて悪かったよ」
「…ああ、またな」
知ってるさ、吉木は人一倍お節介な事は、心配かけて悪いとも思ってる、だけど…楓とは少しでも長く居たいんだ…。
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