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結局その県から甲子園出場したのは名門校だった。彼は甲子園出場校に負けたのならと、数日後、開き直ることができた。
彼はプロ志望届を一応出し、指名が無ければ、地元の大学に進学することを両親と学校の先生などと話した。
数ヶ月後、東京のホテルでドラフト会議が開かれた。
彼は監督室のテレビでドラフト会議を見ていた。
「第一回選択希望選手・・・」男性の声が、甲子園優勝投手や、大学注目選手、そして社会人の選手を読み上げた。二位・・・七位まで行った所で全球団が選択をやめた。その瞬間彼は落胆した。「そうだよ、俺が指名されるわけがない」と分かっていても悔しかった。彼が立ち上がり監督室を出ようとしたとき横にいた監督が引き留めた。「まだ育成ドラフトがあるじゃないか、育成選手だってプロだぞ。」育成選手から一軍にでてる選手は結構いるんだ、と彼は思った。指名は今年最下位に沈んだ横浜ベイーズからだった。しかし彼の名前は読み上げられない。彼は顔を下に向けたまま今後を想像していた。すると育成選手ドラフト3位の時に奇跡が起きた。
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