運命の子

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「クジャ、ジタンを知らないか?先程からずっと姿が見えないんだが……」 ガーランドがそう言ってきた。 「……さぁ?」 白々しく答えた僕に、ガーランドは怒ってなおも続ける。 「……少し前に、ガイアへの転移ゲートが勝手に開かれた、それを開いたのは……お前だそうだな?」 「……」 「……まさかとは思うが、お前……ジタンをガイアに…」 「……」 「……その様子だと、図星のようだな……?」 「……」 僕を睨みつけてくるガーランドに、僕は言った。 「そうだとしたら何か問題でも?」 ガーランドの顔が歪んだ。 「………仕方ない……ジタンは二度と手元に戻っては来ないだろうからな……、ガイアへの進出はまた、考え直さねば…… ……クジャ、貴様はやはり役立たずだ……! お前の顔など二度と見たくない!このテラへの出入りを今後一切禁止する! いいな!?」 …………追放か。 悪くないね、僕はこんな世界 こんな場所が大嫌いだったからむしろ喜んで出てってやるさ。 …………そして、いつか お前を殺しに戻ってこようじゃないか。 クジャはそう、心の中で 笑いながら決意した。 そして、 僕はテラを出て、 ガイアで暮らし始めた。 ……昔、ガーランドに命じられていた、ガイアに戦乱を起こすという使命を殻に…… ガーランドに復讐するために。
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