◇帰ってきたお姉ちゃん

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入れ、と声がしルナは扉を開ける。 ギィ…… 扉は重い。 ルナはゆっくりと両手に力を込めた。 途端に視界が大きく開け、ルナは眩しさに目をすがめる。 広い天井。 壁には美しい装飾が施されている。 そして真っ正面には高い檀。 その上にきらびやかな椅子が一つあり、そこに男が座っている。 「 おお、ルナか。 よく来た 」 声の主は王。 現テグネール王ハインツ。 ルナは平伏する。 「 しかし、おしい……さっきまでそなたの姉上が来ておったのに、たった今出て行ったばかりだ…… 」 「 ………… 」 ( えっ!? お姉ちゃんてば、どこ行ったのよーーー) 何か言いたそうにしているルナに気づいたのか、ハインツが頬杖をついた。 「 ルナ、何かあるなら申してみよ。 前から言っているが、余が王だからと遠慮することはない。古くさいしきたりも無用だ 」 .
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