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「 陛下… 姉はどこへ行ったのかわかりますか? 」
「 ああ、たしかカレッジで調べ物がある、と言っていたような…… 」
首を傾げ考える素振りを見せながら王は言う。
ふと王の隣を見ると従者が目をせわしなく動かしている。
なんだか見られている雰囲気だ。
落ち着かない。
( これは……あんまり長居、しちゃいけない感じだわ )
ルナは王を見る。
「 すいません王様、せっかく会ってくださったのに…。 私、これから姉を探してきますね 」
すると王の目が寂しげに歪む。
「 もう行くのか、ルナ。 ……そうだ、今度、姉上の為に舞踏会を開こう。きっと喜ぶ。
もちろんそなたも来るのだぞ? 」
「 ぶ、舞踏会ですか!?
そんなの…う、あ…姉に聞いてみますね 」
驚いた。
王が舞踏会を開くという事は、おそらく規模の大きいモノになるに違いない。
ルナもそうだが、隣にいる従者も驚いたように目を丸くしている。
おそらくこれから大急ぎで準備に取りかかるのだ。
彼の一声により配下や使用人、その他城内の者らが動き出す。
ある意味、国をあげての宴会のようなモノ…。
それをいとも簡単に言い放つ王にルナは内心辟易しつつも、必死で笑顔を取り繕った。
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