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こちらをジッと見ている事に気づいたのか、
青年はルナの方を向く。
「 ゴメンね。
君の慌てぶりが面白かったものだから、つい。
…所で俺の顔に何か付いてる? 」
不思議そうに問いかけると彼は近づいてきた。
「 あ、あの…すみません。
とても綺麗なお姿で、
見惚れてしまって 」
一気にまくしたてながら、
ペコリとお辞儀をする。
実際、お世辞ではなく、
青年は美しかった。
長くサラサラとした髪は光に透けて、
青みがかった色が銀色に見える。
整った容貌、切れ長の瞳、
そして先程出会ったアイオスより少し低いが長身だ。
( アイオスはどっちかっていうと野生味のある感じ、
この人はそれとは全く逆なタイプかな… )
「 ねぇ君、
名前は何て言うの? 」
「 あ…っと、ルナと言います。
ここのカレッジ生です 」
「 そうなんだ、学生かぁ。
俺はフィリア・ルー。
図書室に調べものがあって来たんだけど、
連れとはぐれてしまってね。
困ったよ 」
フィリア・ルーは参ったと、
こめかみを押さえる。
なんて白くて長い指先なんだろう。
ルナは彼の仕草の一つ一つを無意識に目で追っていた。
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