◇帰ってきたお姉ちゃん

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こちらをジッと見ている事に気づいたのか、 青年はルナの方を向く。 「 ゴメンね。 君の慌てぶりが面白かったものだから、つい。 …所で俺の顔に何か付いてる? 」 不思議そうに問いかけると彼は近づいてきた。 「 あ、あの…すみません。 とても綺麗なお姿で、 見惚れてしまって 」 一気にまくしたてながら、 ペコリとお辞儀をする。 実際、お世辞ではなく、 青年は美しかった。 長くサラサラとした髪は光に透けて、 青みがかった色が銀色に見える。 整った容貌、切れ長の瞳、 そして先程出会ったアイオスより少し低いが長身だ。 ( アイオスはどっちかっていうと野生味のある感じ、 この人はそれとは全く逆なタイプかな… ) 「 ねぇ君、 名前は何て言うの? 」 「 あ…っと、ルナと言います。 ここのカレッジ生です 」 「 そうなんだ、学生かぁ。 俺はフィリア・ルー。 図書室に調べものがあって来たんだけど、 連れとはぐれてしまってね。 困ったよ 」 フィリア・ルーは参ったと、 こめかみを押さえる。 なんて白くて長い指先なんだろう。 ルナは彼の仕草の一つ一つを無意識に目で追っていた。 .
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