◇帰ってきたお姉ちゃん

18/27
前へ
/52ページ
次へ
「 お連れの方って、 どんな人ですか? 」 第三層に到着し、ルーの端正な横顔を仰ぎ見る。 「 敬語はいいよ、ルナ。 普通に話して、 ほら昔ながらの友達みたいに、さ 」 「 それは… 」 答えに窮し、まごついているとルーの長い指先がルナの頬に触れてくる。 「 ルナ、俺は君が思うような 『人間』じゃないよ。 貴族とかそんな大層なモノでもないし 」 「 えっ!? 違うの? 」 ルーは微笑んだ。 「 ああ。 俺はただの異邦人だよ。 訳あって、こんなナリをしているけどね 」 「 テグネールの人じゃないの? そしたら…どうやってここに入ったの 」 ああ、それは…と言いかけたまま、ルーは突然動きを止めた。 「 ……ルー? 」 彼の視線はルナの後方に向かっていた。 怪訝に思いながら、 ルナは振り向く。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加