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ザワザワ、ザワザワ……
「 何、今のラッパは…… 」
「 全くこの忙しい時になんで人だかりできてんだよ 」
「 つーか馬に乗ってるらしーぞ 」
「 馬!? もしかして王様なの? 」
口々に人々は話し始めている。 何がなんだかわからないままルナは道の端に立ち人だかりの隙間を見つめた。
( 道の真ん中を誰かが通る、たぶん身分のある人なのかしら……? )
オオォォ……オォォオォ!!!!!
やがて遠くから人々の歓声が聞こえだした。
「 ああ、久しぶりだ!! あの方が帰られたっ! 」
「 なんて神々しいお姿なの!! 」
見ると道に面した家や店から四角く切った紙切れをフワサッと落としている者もいた。
ここまで歓迎される人物とは一体誰なのだろう。
ルナは近くにいる一番背の高い男性に声をかけ聞いてみることにした。
「 すいません、あの……誰が来てるんですか!? 」
「 ああ、ソルソフィア様だよ。 ようやく帰って来られたんだ。 ……この国は救われたも同然だ 」
( いや……そこまで顔を赤らめなくても………… )
背の高いハゲ頭の男性はソルソフィア様の妄想に浸っているようだった………。
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