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「 くっ、ま……前が見えないわっ 」
ルナもまたソルソフィア様を一目見ようと大きく背伸びをした。
その時――――
ワアアァァァアッ!!!!
人々の歓声が一際大きくなった。
丁度ルナの前の道を通っているに違いない。
( ああぁ、もうっ……! ソルソフィア様が本当に来たのか私だって確かめたいのに!! )
「 お前、そんなにアイツの姿が見たいのかよ? 」
不意に上から低い声が落ちてきてルナはその声の方を見上げた。
自分に声をかけてきた人物は、長身の男性。
それも若い男だ。服装、雰囲気からしてエスクードの者じゃない。
おそらくは旅人―――
ルナは息を呑んだ。
「 そうよ。 だってソルソフィア様は、私の…………、……キャアッッ!!! ちょっとあんた何すんのよ!? 」
ルナは叫ぶ。男が突然自分を抱えあげたからだ。
「 触んないで!! そこお尻!! 放しなさいよっ 」
「 あ―もぅ、うるせー。 見たいんだろ? こっからなら大丈夫だろが!! 」
男はさも煩そうに片目を瞑り、ルナにわかるように眼前にいる人物を指差した。
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