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ルナは道の方を見た。
確かにここからなら十分ソルソフィア様を拝めるに違いない。
( 金色の髪……馬に乗ってるんだわ )
ルナは顔を上気させる。
―――と、たまたまなのか金色の長髪が風になびき、ソルソフィア様がこちらを振り向いた。
瞬間、目が合う―――
ソルソフィア様の金色の瞳が大きく見開かれた。
「 やぁルナ、会いたかったよ。 またあとで、ね 」
ソルソフィアは悪戯っぽくウインクすると、そのまま馬を王城へ向かわせて行ってしまった。
( それにしても見かけ怪我もしてなさそうだし、元気そうで良かったわ…… )
フゥと息を吐いて下を向くと、男と目が合った。
「 なぁ、お前……アイツと知り合いなのか……? 」
「 へっ!? いや……まぁ、その…… 」
男の不信気な眼差しにルナは体を硬くした。
「 あっ、とにかくありがとう。 おかげで姿も拝めたし助かったわ。 ……んと、そろそろ下ろしてくれないかしら? 」
「 ……… 」
男は黙っている。
「 あの…… 」
「 城に、行くんだろ? 」
間違いない。
男にはソルソフィアと自分が何らかの関係者であるとバレている………。
「 こんな人混みじゃ歩きにくいだろ? 俺が連れていってやるよ 」
男はニカッと屈託のない笑みをルナに向けるとそのまま有無を言わさず歩きだした。
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