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「悪かったって。落ち込むな」
はぁー、とため息をつきニールはラークの頭を撫でる。彼の手は哺乳類の暖かさは無く、ヒヤリと冷たい。が、体で感じる物とは別に彼から暖かい物を感じる。
「うん」
俯きながら小さく頷くラークは妙に子供じみていて、ニールは苦笑いする。彼がこう言う性格なのも、ラディが関わったせいだと言えるのを知っているからだ。
「気を取り直すっつーか、まあ、あいつらなんだけどよ」
彼の気を紛らわせようと、ニールは話題を変える。
長い指で差されたレッドドラゴン達は、ラークの落ち込んだ様子を心配そうに見ていた。
「あんたに会いてぇって、ずっと言ってたんだぜ? 会った時、すげー喜んでただろ?」
一匹がノソノソと歩いて来て、ラークに頭を擦り付ける。まるで飼い主を心配して寄って来る犬か猫の様で、彼は少し微笑んでそのドラゴンの頭を撫でる。
「ギャスカリスの話したらよ、オレらも平等に思うハンターで、キャロレイで、しかもハンターキングなんて会ってみてーってよ。今回の騒動起こす時も立候補してくれたんだぞ?」
ラークに頭を撫でられているドラゴンはリラックスして、気持ち良さそうにして居る。そんな表情に彼の表情も明るくなってくる。
「俺のやってる事、間違いじゃないんだよな?」
「ああ、そうだ。オレらからしたら気にいらねぇ理由で殺される仲間もいるのは認めっけど、オレらだってあんたらを殺す事もある。そう言う話だろ?」
不安そうなラークに、ニールは答えながら、ガルクはこう言う事を言わないのか? と思う。彼が少し励ましたりすれば、こうも不安がる事も無いだろうと、そう推測する事ができる。
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