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レッドドラゴン達がのそのそと集まって来て、ラークの体に擦り寄り、幾ら優しくされているとは言え、体重の軽い彼はよろけて尻餅をつく。
「カッカッカッカ!」
少し驚いている様な表情に、ニールは思わず笑う。ラークはびっくりして彼を見上げ、豪快に笑っている森の長につられる様に小さく笑った。
「そんなに笑わなくたって良いだろ?」
「うるせぇな。笑いてぇ時に笑って何が悪ぃんだよ! カッカッカッカ!」
笑いながらそう言えば、とニールは思い出す。
今から約一年半前、つまりはギャスカリス討伐の時、言動に不信感を抱いたガルクと話をし、彼がラークに対して抱いている目標、いや、夢に近い事を聞いていた。
「アンタ、相棒とこれから先の話はすんのか?」
ニールは問いかけるが、彼はそれどころではなかった。
ドラゴン達から次々に腕や足を甘噛みされ、ドンドンと背中を押され、荒い甘え方だと知らなければ、一つの肉を寄って集って食い荒らしている様にも見えてしまう。
「……オメーら、そこら辺にしとけよ」
はぁ、とニールはため息をつく。
「痛いって、ちょっと……やめろって!」
振り回されながらも笑っているラークを見て、ニールは仕方ないか、と思う。ドラゴン達は彼の到着を楽しみにしていたのだ。大喜びして当然。
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