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ドラゴン達がひとしきりラークを堪能し、ようやく解放した所で、ニールは話を始める。
「実はアンタを呼んだのはよ……。大丈夫か?」
ぐったりしてドラゴンの一匹に支えられているラークを見てニールは声をかける。
「大丈夫、と言え、ば……大丈夫だけど……」
ぜぇぜぇと荒い息をしながら彼は答える。
流石にやり過ぎたと思ったドラゴン達が罰の悪そうな顔をしてニールとラークを交互に見てはお互いの顔を見る。
「カッカッカッカ! ホント、アンタ珍獣だな! レッドドラゴンにんな事される人間なんてアンタぐれーだぞ!? カッカッカッカ!」
緩い曲線を描いた角をペシペシと叩きながら爆笑するニールに、ラークは何故笑われているのか解らなくて思わず背中を預けているドラゴンを見る。が、ドラゴンは何故こちらを見たのか解らず、ジッと見返すだけだった。
「ったくよー。オレ実はすっげー落ち込んでたんだぞ? アンタ見てたらそんな気分吹っ飛んじまったじゃねーか! どーしてくれんだよおい! カッカッカッカ!」
ニールの笑い声は静かな森に響き、山にこだまして戻って来る。
「なにがそんなにおかしいんだ?」
やっぱりよく解らないラークは腕を組んで軽く首を傾げる。
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