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「普通に考えて、レッドドラゴン1匹で大体二百万だろ? 十匹狩ったらそれだけで二千万。それから、人命救助の分は一人頭十万、これで三百万。諸経費諸々入れて、二千三百後半じゃないか?」
「なにがだ?」
ガルクの言葉に、ラークは首をかしげる。ガルクは何を言われたのか解らなくて、信号が変わったのにも関わらず、思わず彼をジッと見る。
「……俺、変な事言ったか?」
変な沈黙にラークは、誤魔化すようにヘラっと笑って見せるが、ガルクは変わらず真顔のまま彼を見る。
「お前が訊いてきたんだろ?」
「え?」
そうだっけ? とラークは思うが、少し考えて今さっき自分で言った事だと思い出した。
「あ、ああ、そうだ。依頼料だな。うん、二千万で良いよな」
「約二千四百だ」
「あ、あれ?」
「自分で訊いた時ぐらいちゃんと聞いとけ」
まったく、とガルクは呟き、ようやく車を走らせる。後ろの車は相当迷惑だったのだが、彼らの車が高級車かつ巨大な為、クラクションを鳴らせずにいた。
「二千四百って、この車買えたっけ?」
「一台は買えるぞ」
そんな間抜けな会話をしながら、ガルクは思う。
ラークってこんなにガキっぽかったか? と。
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