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まだ八時にならないというのに、ハンターズギルド・クルーニー支部には人が集まっていた。
何人かは協会からの要請で来たのだろう。装備を整えて緊張した面持ちでどこか落ち着き無く周りを見ている。
彼らが来たと確認する職員。最強ハンターのラークを一目見ようと張り込む観光客と、レッドドラゴンの討伐に向かう彼らを取材しようと集まる報道陣。ハンター達を刺激するのを避けるために、観光客と報道陣を制止する五・六人の職員。
「何の騒ぎだ? これは」
ラークはそれらを見て呟く。
人が集まって騒いでいる場所に行くのは彼はとても苦手で、今ほど落ち着いていない一年前なら、パニックを起こして暴れかねないほどだ。
「どこかから情報が漏れたんじゃないか? お前がレッドドラゴン討伐の依頼を受けたって」
ちらちらとラークの表情を見ながらガルクは言う。
車を止めると、報道陣が集ってきそうなので、車を止め場所を探すふりをしてのろのろ運転で駐車場をうろうろしている。
「俺が出るからって何でこんなに騒ぎになるんだよ。ハンターが仕事して何が悪いんだよ」
ラークを撮ろうとシャッターを押す報道陣を見て、彼は不安に消え入りそうな声で必死に抵抗する。
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