赤竜

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 どうにも想像と違う様子に戸惑うレッヅに、ラークは『光』を使ってメッセージを宙に書く。 『こいつらに敵意は無い。来ても多分大丈夫だ』  目の前に描かれた文字を読み、レッヅは驚き戸惑った様子でラークを見る。彼はレッドドラゴンの腹に寄りかかってのんびりと背伸びをし、別の一匹がくわえて持って来た魚を、ナイフで捌いていた。  こうも穏やかだと逆に居心地が悪いな、とレッヅは思うが、ここに居ても意味は無いとラークの近くに移動しようと立ち上がった。  ガサリと茂みを掻き分けて立ち上がった彼を見つけ、ドラゴンは驚いた様子で顔を上げ、近づいてくる彼に警戒の色を見せる。  大丈夫だと示そうと、ラークが立ち上がり、彼に近寄ろうとした時、腹を貸していたドラゴンが彼の腹部に噛み付き、ラークが反応する前に羽ばたいて飛んだ。 「何!?」  何が起きているのか解らないレッヅは驚き、腹部を噛まれたラークを救出すべく、銃を構える。 「……! ……ヅ…めだ!」  ラークが何かを叫ぶが、ドラゴン達の羽ばたきと強烈な風に掻き消されて聞こえない。  レッヅは構わずライフルを撃つ。ラークを捕まえているドラゴンを狙ったのだが、別のドラゴンが庇い、攻撃を受けた事により、穏やかな表情が一変し、レッヅを睨む。
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