337人が本棚に入れています
本棚に追加
猛烈な風を起こしながら、レッドドラゴン達は着地する。レッヅの弾を受けて怪我をしたドラゴンは、ラークが状態を見て、ナイフで弾を抉り出して魔法道具(アイテム)で回復させた。
「さて、何が目的なんだろうな?」
治療を受け、お礼だと言う様に魚を捕まえて持って来たドラゴンの頭を撫でながら、ラークは首を傾げる。レッヅは居心地悪そうに地面にあぐらをかいて座り、腕を組んでいる。問われたところで知らない、と言った態度だ。
「……ラークは、こいつらの言葉、解るのか?」
先ほど言葉を交わしていた様子を思い出し、レッヅは尋ねる。ラークは捌いた魚を刺身の様に生で食べながら答える。
「喋れるのは一言だけだ。『敵意は無い』それだけだ」
川の魚は泥臭くないのだろうか、とレッヅはそんな事を思う。
「聞く分にはどれくらいだ?」
「大して。表情見て想像する位だ。さっき飛んでった奴と何を言ったのかも解らないし」
ラークは頭と骨と内臓だけを残しちゃんと食べた、と見せる様に持ってきてくれたドラゴンに残した物を見せる。
「そんなの解るなんて、凄いな」
無表情でさして反応を示さないドラゴンを相手に、クスリと笑うラークを見てレッヅは呟く。
「俺、何ヶ月かグリーンドラゴンに世話になった事があってな。その時に少し教えて貰ったんだ」
ケロリとラークはそんな事を言った。
最初のコメントを投稿しよう!