赤竜

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「どう言う意味だ?」  ラークは風圧で目がやられない様に手で庇い、なんとかバランスを保つ。 ――そんなの、自分で解ってるでしょ? 貴方は普通じゃない。生き方も、育ち方も、生まれも、存在も。  彼女の言葉に、彼はショックを受けて言葉を失くす。  言われなくても解っている事を改めて言われ、自分は異常なのだと突きつけられた様な気がして、それを否定する言葉が思いつかない。 ――私はね、半分は褒めてるのよ? 貴方は普通じゃない。だから、人と違う事が出来るの。人と違う何かになれるの。これって特別な事でしょ?  彼の心境を察してか、彼女はクスクスと笑いながら励ます。彼の複雑な心境は、知り合ってからの一年でなんと無く理解はしていた。 ――そう言えば、体の調子はどう?  深く話こんでも落ち込ませるだけだと察した彼女は話題を切り替える。 「凄く良いよ」  まだ完全に立ち直っていない彼は、陰鬱な物を払拭出来ないまま答える。 「前は自分の歯も無かったし、手術で取りきれなかった物とか幾つかあったしな。それが普通でなんとも思ってなかったけど、こっちになってからは、凄く楽だよ」 ――そう。それは良かったわ。あの体は酷かったもんね。 「ああ。無理矢理治療してたり、人工の使ってたりしたからな」 ――胃は摘出したんだっけ? 「ああ、そんな事もあったな」
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