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「一匹だけだな」
ガルクは飛んでいくドラゴンを見て確認するように呟く。ブライトも手で日の光を遮り、確認して頷く。
二人の様子に気づいたハンター達が空を見上げるが、既にドラゴンは飛んでいって見えなくなっていた。
「近くに居るみたいだな。すぐに向かうか」
ブライトはジッと空を見ているガルクに声をかける。まるで何かを待っている様で、もう一度彼の目線の方を見るが、特に何も無い。
「あ、ああ。そうだな。レッヅは接近戦は全然ダメなのか?」
何でも無かったようにガルクは言い、ブライトを見る。行動を不審がっている彼は、少し訝しげな表情をしているが、すぐに無表情に戻す。
「人間相手なら多少出来るって答えれても、レッドドラゴン相手じゃ、全くと答えるしかできねぇよ」
「……まあ、普通はそうだよな」
ブライトの答えに、ガルクは苦笑いする。
大きさもあるが、レッドドラゴンには翼もあり、スピードもあり、鋭い牙と爪、それから中には炎を吐く者まで居る。そんなものを相手に接近戦でどうにかしようとするハンターはあまりいない。ましてやレッヅは長距離を専門としている。そこまで体術が出来るはずもない。
「ラークを見てたら基準がおかしくなるよなぁ」
ガルクはぼやく様に呟いて頭を掻く。
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