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バサバサと大きな羽ばたきの音が聞こえ、ガルク達はハッとする。
パァン! と発砲音が聞こえ、ガルクは走り出す。とは言っても行く手を背の高い草に遮られているので、普段歩くよりも遥かに遅い歩調だが。
「ま、待てよ! 一人で行くな!」
焦って先に行こうとするガルクをブライトが引き止める。後ろのハンター達も草に苦戦して着いて来れていない状況で、一人先に進まれてしまうと、目的の場所は一緒でもはぐれる可能性だってある。ましてや、ラークを頼りに集まったハンター達であり、印象こそ悪いもののそれは今でも一緒。ラークが不在の今は、自分達よりもランクが低いとは言え、相棒のガルクを頼りにしているのだ。彼が勝手な行動をすれば、纏められる人がいなくなる。
「ガルク! 待てって!」
足手まといのハンターを五人も押し付けられるのは勘弁だと、ブライトは必死になってガルクに手を伸ばし、その白くても逞しい腕を掴まえる。
「はな……!」
「待てって!」
文句を言いかけるガルクを押さえ、ブライトは叫ぶ。
「あんた一人で行ってどうすんだよ。あのでかいスカルベスすら一人でどうにかしたんだろ? あんたの相棒は。だったら大丈夫だろ? 相棒が心配なのはあんただけじゃないんだ。落ち着けって」
ブライトは一気に言い、ガルクはハッとする。ラークが居るとしたら、その場にレッヅも居ることになり、近距離の苦手なレッヅはラークよりも危険なはずだ。
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