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ガルクが足を止め、ブライトはホッとする。彼らの感覚で、素人に毛の生えたようなハンターを一人でどうにかしろと言われても、はっきり言って勘弁してもらいたい。そいう意味ではオナハ支部の職員の方が有能らしい。
「頼むって、落ち着いてくれって」
足は止めたが、焦った表情のガルクにブライトは耳打ちする。
何故あんなにも実力がある相棒を信用できないのか、そんなに極度に心配するのか、ブライトには理解できない。彼を心配するより、はっきり言って今の自分達の方が危なっかしい気がしてならない。
「んだよ、ったく」
うんざりして来たブライトは思わず零す。これなら、ラークとガルク、レッヅと自分だけの方がよっぽど気楽で、実力も十分だった気がしてならない。
「おめーらもくっちゃべってないで、さっさと行くぞ!」
ブライトは、二人のやり取りに気づいて立ち止まっている後続のハンター達に声をかけ、そして草を掻き分けて歩き始める。
バサバサと羽音が聞こえたのは、ガルクとブライトが草から抜け出し、ハンター達を待っていた時だった。
反射的に空を見上げると、ドラゴン達が上空を通過しているところだった。速度は速いが、急いでいる訳では無さそうだ。
「ラーク!?」
ガルクは赤い鱗に包まれたドラゴンの合間から、銀髪を見つけて叫ぶ。
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