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また走り出しそうな雰囲気に、ブライトはワザと叫ぶ。
「レッヅ! 大丈夫か!?」
本人の姿は見えないのだが、目的はガルクの気をこちらに向ける事なので、そんなのは関係ない。叫んだブライトの声に驚いたハンター達は背の高い草の中で武器を取り出そうとして、草に絡まりもがき始めた。
「……グダグダだな、おい」
ブライトは後ろで騒いでいるハンター達を見て呟く。ガルクもそれを見て呆れ顔になり、ため息をつく。
「こっちの協会はホント使えないな。よくレッドドラゴンと戦う気になったな?」
「あんなのを集めたから、ラークがいねぇと嫌だってしり込みしたんだろ?」
ガルクの呟きにブライトが続く。心底この人選は間違っていると思う。
「とにかくレッヅとラークだ!」
使えないハンター達はさておき、ラークも気にしつつ、レッヅの姿を求めて草の中から出ようと先に進む。
レッヅはちょうどガルク達と合流しようと戻ってきた所で、ブライトが上げた声を頼りに草を掻き分けて歩いていた。
「ブライト!」
少し離れたところからレッヅの声が聞こえ、相棒が声を張り上げたのが意外だったブライトが少し驚いた顔をする。
「レッヅ! どこだ?」
ガルクよりも背の高い草の中ではお互い姿は見えず、ブライトも声を上げる。
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