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「落ち着けって!」
レッヅが苛立ったのを察してブライトが止めに入る。
ガルクの手を掴んで二人を引き離し、レッヅを庇う様にガルクの前に立つ。
「何やってんだ!? いい加減にすれ!」
怒鳴りつけると、ガルクは更に興奮したか、焦りによる苛立ちの中に怒りを混ぜてブライトを睨む。
「十匹のレッドドラゴンだぞ!? 襲われたら、いくらあいつでもただじゃ済まないんだ! なんで解らない!?」
「てめぇレッヅの話聞いてねぇのか!? 敵意はねぇつってただろ!? ああ!?」
ブライトの口調が変わりレッヅは、ラークが言ってたのはこう言う事か、とため息をつく。確かにガルクを怒らせると面倒臭い。
「大丈夫だってなんで解るんだ!? 相手はレッドドラゴンだぞ!?」
「ああ!? んなこたぁ知らねぇよ! 俺からすりゃあ、あのスカルベスの方がよっぽど危ねぇと思うぞ!」
怒鳴り合う二人にハンター達は戸惑い、一人が恐る恐るレッヅに近寄る。
「あ、あの……」
考えていたレッヅは驚き勢い良く振り向いて声をかけたハンターを鋭い目で捉える。
「これから、どうすれば……」
どうやらサポートのハンターらしく細身な男は消え入りそうな声で言う。
「……知らん」
突き放す様に呟き、未だ怒鳴りあっているブライトとガルクに視線を向ける。
レッヅとしては、どうやら息詰まる命のやり取りができない様子にさっさと帰りたいのが本音で、その前にこの怒鳴り合う二人をどうした物かと、それが一番重要だった。
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