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ガサガサと茂みを掻き分ける音がし、ラークは素早く反応する。が、ドラゴン達の反応が薄い為、危険は無いと判断し、警戒を解いてゆったりとドラゴンの腹にもたれかかる。
それでも、何が来るのかが気になってその方をジッと見る。
背は高いな。体は……長い訳じゃないな。二足歩行してて、足は大きい。熊……じゃないな。何だろう? 鳥系の魔物でもないな。人型の魔物だとしたら、背が高すぎる。
葉擦れ・踏みつける草や若木の音。そんな音を人間離れした聴力でキャッチして分析をする。彼と同じ聴力を持った人がこの場にいたとしても、彼の様に朧げな姿を掴む事は出来ない。
「……ニール?」
やがて現れたグリーン・ドラゴン(緑竜)を見て、ラークは漏らす様に呟く。
ニールはフウリス・シティを囲む森の長を務めている。彼は仕事にやって来たラークとガルクと言葉を交わし、二人を友だと認めた。
仕事であるスカルベス討伐の際には森の住民を避難させ、一人残って戦いの一部始終を見ていた。
帰路につく二人に対し「近くに来たら寄れよ!」と言っていた。しかし、忙しいなどの理由であれから会っていなかった。
「久しぶりだな」
ニールはニッと笑ってみせた。
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