第一章

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走りだしてすぐの植え込みの先、地に座り込んだ少年と……… 「バ、バケモノ‼‼‼」 バケモノが振り返った。 思ったより声が大きかったらしい。 「…どうして……な………バケモノ……は……」 さすがに畏れがまわってきた。 ガチガチだよ。 「どうしたら……」 足が凍り付いたみたいに動かず、逃げることさえできない。 「…たす…け……て…」 恐怖から搾り出した声、聞き逃しそうな微かな声。 でも聞こえた‼‼‼ 僕は心の中で溢れたもの、《正義感―ユウキ―》を原動力に凍り付いた身体を解き放った。
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