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ある夏休みの夜
突然に俺の先輩のソラさんが、流れ星が好きだと言ってたのを思い出した。
その夜は宿題をしようと机に問題集とノートを広げて、やっぱりいつも通りすすまない。
大抵の学生は「早く終わらせてから遊ぼう」と言って夏休みの最後に徹夜をする。
オレもそんな徹夜族の一人で。
それに嫌気がさして眠気もさして、気分転換に窓を開けた。
「…見えない」
都市の夏の夜はたいてい曇って星なんて見ることができない。でも…
「月の子ども…?」
星よりもずっと珍しいものを見ることができた。
その子どもは暗い空に黒い服、光を放ちながら浮いている。
例えて言うなら……なんだっけ…?そうそう、某天空の城の少女みたいな感じ。
子どもは目をつぶって、寝ているのかよく分からなかったがとっても気持ち良さそうだった。
ぼぉっとその子だけを見ていたら、目を開けこっちを向いてから近付いてきた。
手には……星。
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