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肌が白くて顔つきの綺麗な子だった。
小さな口の端が少し上に上がって一言
「こんばんは」
まさか話しかけるなんて思わなかった。触っちゃいけない気がした。だから震えた間抜けな声で
「こんばんは…」としか返せなかった。
すこしドキンとした。
「今、君は宿題ができなくって困ってるんだよね?」
月の子どもは何でもお見通しなのかな?
「はい…」
苦笑いで返した。
「知ってるよ…何故かって言うと君は心がもやもやしてるんだ。」
ずきん
「気になる子ができたんだ。そうだよね?」
びしびしと言い当てられる。
そう、オレは最近入ってきたマネージャーに恋をしてる。まだ一言も話してない。
月の子どもはあの子と同じで『触っちゃいけない』気がしたからドキンとした。
「歌」
「え…?何だって?」
「歌を作って…?君のたくさんの思いを教えて?少しは楽になるかもしれないよ?」
無責任な月の子どもはオレにそういうと星になって消えた。
一人、部屋で
ぽつり、つぶやいた
「夢じゃないよね?」
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