プロローグ

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「他の者は」 「2人逃げた」 マグロでも釣ったかのように死体をコンテナの床に投げ入れた。糞をもう漏らしているか異臭がコンテナに充満する。 「すこし我慢してね。掃除屋がすぐにきますから」 ヒロは鼻を摘まんで、椅子に座った。 菅野は顔色も変えずに、死体の持ち物をあさりだした。 車は、駐車場を後にした。 ルーールーールーー ヒロの携帯が鳴る。麗子からのようだ。 「俺や」 ≪ヒロ!誰かにつけられとう≫ 「気のせいやろう!」 ≪迎えに来て!≫ 「もう、敵と交戦中や、今どこや」 ≪店の前≫ 「迎えをやる。家に帰れ!」 ≪わかった。ヒロ、気をつけてよ≫ 「わかっとる。あれせんで、死ぬに死ねんわ」 ≪馬鹿!≫ 「菅野、麗子を家まで送ってくれ」 「分かりました」 菅野は、キーボードを脱兎のように打ちパソコンで指令を送信した。 「今まで男を何人殺した?」 「ベッドで、それとも銃でですか?」 「ベッドや」 「20人ぐらい、ヒロさんはどっちがいいですか?」 菅野はヒロを色っぽい目で見る。 「どっちもいやや」 ルーー、ルーー、ルーー ヒロの携帯が鳴る。 「俺や、お前なんしよるんか」 ≪大学です≫ 「手を貸せ、仕事が入った」 ≪今から行きます。どこに行けば≫ 「店の近くのコインパーキングに来い」 ≪了解≫ 「お前、解剖したくないか、活きのいいマグロがある」 ≪脳を冷やしていて下さい≫ 「わかった」 ヒロは電話を切った。 「医者が来るぞ」 「そうですか、それは助かります」 「どこで解剖するんや」 「大宮にアジトがあります」 「すごそこやな」 「京都は本当に狭い都市ですね」 「出身どこや、宮崎です」 「ほー宮崎か、ええ女が多いとこやな」 「有難う御座います。牛肉も美味しいですよ」 「殺し屋の親善大使か」 「まあ、ヒロさん」
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