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「左4番肋骨上皮に銃創、弾は心臓に達しているもよう。誰か記録して下さい」
「佐々木、記録しろ」
「はい」
「水嶋、指紋を採れ」
「はい」
「指紋を?」
ヒロが不思議な顔をした。
「浅田警部に身元を洗ってもらいます」
菅野がすぐに応えた。
龍が股間を摘んで調べている。
「どうみても日本人だな」
「龍、何で日本人と分かるんや」
「亀頭のサイズと長さと、仮性包茎、それと鼻の形、身長と股下の比など、何拍子も揃っていますからほぼ日本人です」
菅野が「外人と比べると異常にちっちゃいですからね」
「おい、菅野、あんまりズバッと言うな。男はコンプレックスの固まりなんや」
「死んでもですか……、」
「そや」
菅野は首を傾げた。
龍は足の裏まで、事細かに調べている。
「誰か、写真を撮って下さい」
「はい」
菅野が小さなデジカメを取り出して、顔から口の中を撮りだした。
「ヒロさん、裏返しにします」
「俺は、無理や佐々木、手伝ってやれ」
「はっ!」
二人で、死体を回転させうつ伏せた。背中には、もう死斑が現れ綺麗な紫色のまだらが出来ている。
背中には観音様が死体を供養するかのよに拝んでいる。
パシャパシャ
菅野が写真を撮る。
また、死体を仰向けに回転させた。
龍がバックからメスを取りだした。
「内蔵を調べます」
龍が躊躇なくメスを喉から下腹までスーと深く切る。
肋骨、内蔵が姿を現す。さらに、龍は内蔵の膜を切り裂く、
「弾は心臓を貫通して、背中の肋骨で止まってます。左肺は潰れてます。その他の内蔵は異常なしです。胃を切開します」
大きな胃を体の外に取り出しメスで縦に切断した。
「ボールをお願いします」
組員が小さなプラスチィック製のボールを龍に差し出した。
龍は胃の内容物をボールに流し込んだ。
胃の中の酸っぱい臭いが部屋中に漂う。
ヒロが「くせーな」
「後は、肝臓と便と血液を採取したら終わりです」
龍が最後の作業に入った。
ヒロが鼻を摘んで、胃の内容物を見ている。
おえっ!
ヒロはゲロを見て、気分が悪くなったようだ。
「んー肝臓はと、ホアグラ状態、脂肪肝、かなり酒を飲んでいたようだ。後の内蔵は異常なし。歳は35才ってとこかな」
龍は取り出した内臓を腹の中に収め粗めに縫いだした。
「司法解剖、終了です」
龍は手を合わせた。
「やくざやな、それもたぶん大阪や、烏丸会を潰しに来たんや」
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