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「頭、麗子に会長の事がばれるとそれこそエンコ(指)だけじゃあ済みませんので、僕はもうここには来ません。その車と、精鋭を6人貸して下さい。情報は、その車でやり取りしましょう」
「そうですね。相手は、戦闘のプロですから、じゃあ自衛隊あがりを5名とパソコンの達人を1名つけましょう」
「自衛隊?」
「自衛隊の早期退職者はやくざぐらいにしか行くとこがないんですよ」
「口は堅いですか?」
「烏丸会で歌う奴は琵琶湖のブラックバスの餌にします」
「分かりました」
「おじき!あっしは、会長から絵の警備を任されていました。十時までに解決しねえと、腹を切ります」
「そこまでしなくても」
「いや、会長は厳しい人ですし、あっしも意地があります」
四方はヒロを睨む。
「そうですか、じゃあ、頭も来て下さい」
「いえ、それより、あっしは別動部隊で行動します」
「誰か心当たりでもあるのですか?」
「ありませんが、その方が盗賊を挟み撃ちに出来ます」
「そうですか、連絡は密にお願いします。店に一旦帰ります。あっそれと今回の報酬は……、部下がいますので……」
「先に5千万円、絵を貰えれば5千万円です」
「分かりました」
「おじき、お願いします」
頭は深々と頭を下げた。
「……」
ヒロは事務所を後にした。自転車をこぎながら、なんかおかしい、頭はなんかを隠しとる。気をつけんとこっちまで墓穴を掘ることになる。
自転車を店の裏に止めて裏口から店の中に入った。
「不用心ね、鍵開いてたよ」
麗子が足を組んで食後のコーヒーを飲んでる。
「取られるもんないし」
「お金はあるでしょう。マンションでも買えばいいのに」
ヒロがカウンターから出て麗子の後からいやらしく大きな胸に手を伸ばす。
「れいこ……」
「駄目!」
麗子がピシッと手を払いのける。
「そんな、朝食代」
「朝食代?ほっぺにチューぐらい」
「そんなんいらん、俺たち付き合っとるんやでー」
「もう何度も言わせないで!パリに着いて、高級ホテルならいいって何度も言っているでしょう。イヤなら終わろ!」
「そんな体して、生殺しやないか」
「もう、絵はどうなったの」
「プロの武装強盗集団やった。京都に潜伏中や」
「断ったんやろ?」
「断われる訳ないやろう!」
「傭兵か何かでしょう。拳銃もまともに撃てないのに、どうやって絵を奪い返すん?」
「会から兵隊をかりた」
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