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「ちなみにコウタの部屋はヒカル、こいつね。ヒカルと相部屋だから」
「よろしくな!コウタさん」
俺はお得意の笑顔で笑った。決して自慢できるものじゃないけど、昔友達に八重歯いいね、と誉められたことがあった。それがとても嬉しかった記憶がある。
「よ、よろしくお願いします」
コウタさんは、律儀に礼をしてきた。こいつ、人見知りするやつなのかな…。
「コウタ、明日からは俺らと同じ学校だからね。制服や教科書は学校から届いてるから部屋においてある。まだ時間あるし暇なときにするといいよ」
「じゃあ今から整理しますね」
「あ、じゃあ部屋まで案内するよ。」
俺はすかさず話しかける。仲良くなるタイミングを探しているのだ。フレンドリーな性格から友達はたくさん出来る。でも俺は………ッ。
「ありがとうございます。ヒカルさん優しいんですね」
コウタさんは柔らかいしゃべり方をするんだ。俺は、一つコウタさんについて知った。少しずつ少しずつでいい。俺は皆との仲を深めていきたい。
「じゃあこっちね。」
「はい」
コウタさんは折れてしまいそうな細い足で後ろを歩く。こいつ細すぎだよ、なんて心で思う。でもなんか守ってやりたくなるタイプだな。きっと彼女はかわいいタイプよりビシッとしている人の方が合うんじゃないかなあ。
やべ、俺の癖が出てしまった。俺は初対面の人について考えるのが好きなのだ。
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