第五話・トラック3~幕末の世界~

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士「今度はなんだ?この格好は?」 一方"榊原耕一の龍騎の世界"を後にした、門矢士は次なる世界についていた。 今回の世界の衣装は着物。つまり和装だった。 音也「中々似合ってるぞ。士」 士「…お前は七五三みたいだけどな」 音也も洋装は目立つと考えたのか、紋付袴を着ていた。 士「ここは、何年なんだ?」 士が転移した先の、古びた無人の長屋から出て辺りを見渡す。 舗装もされていない土の道、かといって田舎というわけではなく、まわりは和風の家が立ち並び着物の人間が歩いていた。 士「江戸時代?」 音也「といった所だな」 士「フン…、お前と話ていても無駄だな。答えを出す気がないんだろ?」 音也「そうだな。旅の醍醐味とは自分の足で歩く事だ。ガイドの後ろをついていってもツマらんだろう」 士「…知った事を」 音也「フ…」 士が道を歩き出す。雑多な街を行くあてもなく、だ。 士(中々の都会なのか?) 人通り、路面店の賑わい…。文明的な発展は進んでいなくとも、都心のような印象を受ける町並みだった。 士が少し歩いてある事に気付く。 街の人間の士を見る目が、恐怖と畏敬を持ったものだったからだ。
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