目の前の景色ごと奪うプロローグ

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目の前の景色ごと奪うプロローグ

初めて先輩に会ったのは入学式の日の朝――――― 空は一面青空で、そこに舞い散る桜の花びらは青色のキャンバスに美しく彩られている。 遅刻ギリギリだった私は朝ごはんの食パンを食べながら学校へと向かっていた。 「やばい!食パンのせいで口の中モソモソする!どうしよう!もうこの食パンそこら辺の鳥にあげようかな……ていうか遅刻ぅぅぅううぅぅぅっ!!」 そんなことを口に出しながら学校まで全速力で走る。 ついでに食パンをちぎってはばらまく。 「あー…お腹空いたー…今なら道端に落ちてるちぎられた食パンでも余裕で食べれ……へぶっ!?」 「はうっ!?」 食パンちぎりに夢中になってた私は曲がり角から来た人に気付かずぶつかってしまった。 「いたたた…悪ぃ…大丈夫か?(うわ…パンツまる見え……しかも縞パン……いただきました)」 先輩は私に手を差し延べてくれた 「あっ………」 その時――――― 私は先輩に恋したんだ。
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